基礎日本国憲法講座

written by ipusiron(2000,1,22)


■憲法とは何か?

 今日、憲法というと、直ちに、日本国憲法を考えます。憲法は政府と国民の関係という国家生活の基本的なルールを決めたものであります。それ故に、憲法は国家の根本法あるいは基礎法とも言われます。

 

■憲法の特徴

 憲法には、以下の特徴が挙げられます。

 

■近代憲法の原則は何か?

 立憲主義に基づく特定の内容の近代国家の憲法のは、実際のやり方では異なっていても共通するものがあります。それは近代憲法の原則と呼ぶことができて、以下の4つが考えられます。

 

■国民主義

 日本国憲法は政治の最高の最終的な決定権、つまり主権をもつのは国民であると定めています。国民が国家の主人であるという考え方です。それが国民主権ということです。

 

■平和主義

 平和主義は日本国憲法の大きな特徴で、最も重要な基本原則になっています。戦争を放棄し、戦力をもたないという徹底した平和主義で、他に例がありません

 平和主義は人間の尊厳、基本的人権の尊重の考え方から当然に出てくる原則といえます。

 

■権力分立

 権力分立は立憲主義に基づく近代憲法の重要な基本原則です。日本国憲法はこの原則に基づき、立法権は国会に、行政権は内閣に、司法権は裁判所に分けて与えられています。

 

■国民主権と選挙

 選挙権は全ての国民に平等にある(「与えられる」という表現は適切でないかもしれない。「にある」という表現の方がいいかもしれない)。

 また、第二次大戦を境にして、世界人権宣言は「すべての人は、直接に又は自由に選出された代表者を通じて、自国の政治に参与する権利を有する」(二一条1)とうたっています。参政権は人権として、民主政治をささえる柱として広く確認されるようになりました。

 しかし、自分の持ち物なら棄てても別に義務に違反するなどとは言われないですが、投票の棄権をこれと同じに考えては危険です。投票は代表者を選ぶという公的な行為であるから、それは権利ではあっても。棄権することは公の任務を果たさないという意味つまり、国民お互いが代表者を選んで我々国民による政治をやっていこうとした約束を果たさない、という意味を帯びてきます。おしつめていえば、民主政治を放棄する行為になります。そこで正当な理由無しに投票を棄権した場合は処罰するという強制投票制をとることも考えられましょうが、これでは選挙は権利である前に国家から課せられた義務になってしまいます。選挙についていう任務あるいは義務とは法律上のことではなく、政治上の考え方で理解することが大切です。我が国は強制投票制はとらず、この問題の解決はむしろ選挙民の自覚にまつべきであるという立場を取り、ずっと任意投票制をとってきました。このことを、投票はしてもしなくてもよいのだ、というような安易に考えてはなりません。

 棄権も一つの批判だ、などというのは軽率です。棄権には積極的なもおんは何も示されていないのですから、批判などといえるものではなく、無関心・怠惰といわれても仕方ありません。【これらは、『法学入門[新版]』の筆者たちの観念ですので、私に対して批判は勘弁してください】

 

■基本的人権

 日本国憲法は国民の基本的人権を「侵すことのできない永久の権利」(一一条)であるとして、いろいろな基本的な自由や権利を保障します。国民の基本的人権がこのように考えられ、国政の上で最大の尊重を受けるようになるまでには、人類の多年に渡る血のにじむ努力が積み重ねれているのです。

 例えば、このような主張が一番早く生まれたのは、イギリスで1215年のマグナ・カルタです。その後、ピューリタン革命や名誉革命により、イギリスに近代国家が成立し、国民の人権を保障する権利章典(1689年)ができました。

 また、フランス人権宣言一六条が「権利の保障が確保されず、権力の分立が規定されていないすべての社会は、憲法をもっているのではない」というように、基本的人権の保障は近代憲法の重要な内容と成りました。

 

■人権の本質

 基本的人権はすべての国民、すべての人間がもつのです。自分だけが持っているのではありません。しかも、人間は一人では生きられません。大勢の人と共に生活しています。社会で、考えの違う人、利害の相反する人がそれぞれ自分の自由や権利だけを主張したなら、衝突してしまい、共に生活することはできません。そこで重要なのは、人権の共存が人権の基本ということです。

 

■法の下の平等の意味

 国の法律には全ての国民が従わねばなりません。法の下の平等は、近代法の大原則です。近代国家の憲法にはこの原則が、例外無くとりいれられています。

 しかし、法の下の平等の原則は、全ての国民を機械的に同じに扱って、一切の差別的な扱いを禁止するということではありません。例えば、大人と子供は国法上異なる扱いをするし、また、所得の大きさによって所得税が変化する累進課税もそれに含まれます。よって、合理的な差別は不平等とならないのです。

 

■自由権

 日本国憲法ひは「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない」(一九条)とか「信教の自由は、何人に対してもこれを保障する」(二〇条一項前段)といった、自由の侵害を禁止したり、自由を保障する規定が定められています。これらは、通常、自由権と呼ばれています。

 自由権には、以下のような3つのグループが存在します。

精神的自由権

精神活動に関する自由権

思想・良心の自由、信教の自由、集会の自由、結社の自由、表現の自由(憲法二一条)、学問の自由(憲法二三条)など。

経済的自由権

経済活動に関する自由権

居住の自由、移転の自由、職業選択の自由(憲法二二条)、財産権の不可侵(憲法二九条)など。

身体的自由権

身体に関する自由権

奴隷的拘束や苦役[くえき]からの自由(憲法一八条)、法定手続の保証(憲法三一条)、住居の不可侵(憲法三五条)、被疑者・被告人の権利保証(憲法三三条・三六条〜三九条)など。

 以上の3グループの自由権のうち、日本国憲法では、第3グループの身体的自由権の規定が、他のグループに比べても詳細である点が、特色の一つであるということができます。

 


■参考文献


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