基礎建築学講座

written by IPUSIRON(1999,10,10)


■はじめに

 「マイホーム・ドリーム」というゲームをやってみると雰囲気が掴めるかもしれません。

 

■建築工事の流れ 

 現在の建設工事の流れは2つの特徴があります。

 第1の特徴は、建設現場での手作業を少なくし、現場以外の場所で計画的に工場生産された部材や部品を現場でくみたてていく方向へと変化しています。

 第2の特徴は、前述ために建築部材寸法の規格化が徹底してきたことである。例えば、建物の設計から工場生産の部品にいたるまで、全て寸法は単位モジュール(10cm。アメリカ合衆国の基準では4インチ)の倍数が基準になっている。このため、現場にあわせて切りつめておさめるなどの作業が格段に軽減されている。

 第3の特徴としては、大規模建築物や大規模な再開発計画の流れである。例えば、大ショッピングセンター、キャンパスの全体計画、町全体や都市の一部の再開発。

 

■ビルの基本7要素

 (1)基礎←ビルをささえて、安定させる。

 (2)構造←ビルにかかるすべての荷重をうけ、これを基礎につたえる。

 (3)外壁。これには荷重をうける耐力壁と、荷重をうけない非耐力壁とがある。

 (4)内部の間仕切り壁←これにも耐力壁と非耐力壁の区別がある。

 (5)環境調整システム←暖房、換気、空調、照明、音響のシステムのことである。

 (6)縦方向の交通システム←エレベーター、エスカレーター、階段のことである。

 (7)コミュニケーション設備←電話設備のほかに、ビル内のインターコミュニケーション、緊急放送設備、有線テレビ放送の受信設備などのシステムをふくむ。

 (8)受電設備、給水設備、廃棄物処理のシステム←明らかに必要ですね。

 

■ビル荷重

 ビルにかかる荷重は「長期荷重」と「短期荷重」あります。

 長期荷重とは、建物の自重と建物にとりつけた主要な設備による荷重をいう。長期荷重はつねに一定して、ビルの最上階から最下階まで垂直方向に下向きに働く。

 短期荷重には風圧力、地震力、機械類からの振動、移動家具、倉庫などに存在する荷物や道具、ビルの中にいる人の重さ、温度変化によって生じる力などがある。短期荷重は一時的なもので、それによる応力の特徴は、それが反復応力(繰り返し応力)であり、振動や衝撃をともなうことである。一般にビルの設計にあたっては、あらゆる長期荷重と短期荷重を考慮し、ビルが沈下したり、崩壊や破裂がおきないようにする。

 

■基礎←建築でいう「基礎」ですよ。

 建物の基礎の構造設計は敷地の地質に大きく支配されます。よって、敷地の地理的条件をよく研究し、地質の専門家と共に地盤の改良方法などの対応を検討することが大切である。

 

■敷地条件

 効率的、経済的な設計を決定するためには地盤の地質学的分析が必要となる

  例1、過去に地震がおきた地域に建物を建設する場合には、地殻の状態についてとくに念入りに調査する。

  例2、一定の改良をくわえた地盤は、改良前の地盤とはことなる動きをする。とくに別の土を混入した場合、顕著になる。

  例3、建設敷地のすぐ下に岩盤があれば、岩の強度のため岩盤が負担する建物の荷重分布の範囲はせまい。しかし岩盤の下部周辺に軟弱な地層があれば、荷重分布の範囲をもっとひろくとらなくてはならない。

 

■基礎の種類

 

■基礎決定3要素

(1)岩盤や土壌の地耐力

(2)構造的荷重の大きさ

(3)地下水位

 

■構造

 一般の建築物の主要構造部とは床、梁などの横架材をふくむ屋根、柱、壁(垂直材)、ブレース(斜め材)および構造体を安定させる緊結部材をいう。

 

■ファサードと屋根

 カーテンウォールは非耐力壁のもっとも一般的なタイプである。組み立ては現場でも現場外でもどちらでもできる。カーテンウォールは断熱材、結露防止層、防音材で裏打ちした外皮にあたるもので、内皮にあたる内装材をふくむ場合と、別にとりつける場合とがある。この外皮は金属(ステンレス、アルミニウム、ブロンズ)、組積み(コンクリート、煉瓦、タイルなどによる)、ガラスなどで構成される。ファサード(外壁)には石灰石、大理石、御影石、プレキャストコンクリート・パネルなどもつかわれる。

 屋根工事の伝統的な工法は、小屋組みにとりつけた鋼板やコンクリート板のデッキの上にタールをしみこませたルーフィング・フェルトを重ね、これを接着してから小石をしきつめてしあげる。フェルトやタールのかわりに化学合成材料もよくつかわれる。新しい樹脂製の人工芝は屋上利用のレクリエーション広場につかわれているが、工費も少なくてすむ。

 

■内部の間仕切り壁

 建物内部の伝統的な間仕切り壁の工法は組積みの壁をつかう。壁は厚さ10〜15cmのコンクリート、石膏、軽石のブロックをつかい、ペンキ塗装やプラスター塗装でしあげる。プラスター塗装は木下地や金属下地の上にラスをはってからおこなう。下地としてプラスターボードやウォールボードもよくつかわれている。

 建物内部の使い勝手をよくするために、移動間仕切りや簡易組立式の間仕切りがつかわれる。金属製、工場生産のプラスターボード複合板、アコーディオンのようなロールカーテンなどがこれである。音が問題ならば、縦方向にも横方向にもうごく鉛入りのカーテンもある。軽量の素材は音が通過しやすいから、吸音材を使用し、ビルで組積みの内部壁をつかうのは、エレベーターシャフト、避難階段、避難通路などをかこむ防火壁だけになっている。

 

■環境調整

 ビル建築でいえば暖房、冷房、換気、照明、音響調整などの設備がめざましく改善されてきた。大きなビルでは年間を通じて完全な空調があるのは、今や標準的といえる。外壁からの距離、照明器具や電気器具、人体からの熱の影響で、冬でも冷房が必要なビルもある。照明の質とレベルは大きく改善されている。その結果、ビルにおける機械設備と電気設備のコストの増加率は建物の他のコストの増加率より大きくなっている。機械設備と電気設備のコストは現在のところ総工費の4分の1から3分の1も占める。   1970年代の後半から機械設備、電気設備のシステムは、ますます自動化され、効率化を最大にはかり無駄とエネルギーの消費を最小にするようプログラムされたコンピューターで制御されている。

 

■コミュニケーション設備と動力系統

 動力、電話、ファクシミリ通信装置、有線テレビ放送の受信設備、ビル内のインターコミュニケーション設備、非常警報装置などが盛んに利用されるようになったため、建物の電気配線量が増大した。幹線ケーブルが縦にシャフト内をはしり、各階で枝分かれして、吊り天井のふところや、床版にうめこんだ配線用コンジットパイプの中に配線されている。

 建物に必要な電力量は、そこで作動するシステムの数がふえ、複雑化するにしたがい増大する。停電は安全性やコンピューター通信に多大な問題をひきおこすので、非常用の自家発電装置を設置するビルが多い。自家発電で電力のすべてをまかなうところもある。発電にはディーゼルエンジンとガスタービンエンジンの発電機がつかわれ、これらのエンジンから発生する熱は建物内で他の目的にも活用される。

 

■縦方向の交通システム

 エレベーター、とくに高速、自動制御のロープ式エレベーターは高層ビルにおける、縦方向交通システムの立役者である(→ エレベーター)。低層ビルや商業ビルの低層階にはエスカレーターが設置されている。火災時の避難のためには、ビルのすべての主要空間から少なくても2方向への避難口を確保しなければならない。このため、どんな高層ビルでも、ビルには各階に通じる防火壁でかこまれた2カ所の避難階段をエレベーターやエスカレーター以外にもうけている。ワイヤロープによって昇降するエレベーターでは、高さ約800mが限界である。そのためリニアモーターを利用した、水平方向にも移動できるエレベーターが開発されている。

 

■給水と廃棄物処理

 公共給水本管からビルに供給される水は、いろいろな目的でつかわれる。飲料水、洗濯用、料理用、廃棄物処理用、建物内部の消火用(消火栓にホースをつないだり、自動スプリンクラーを設備する)、空調システム用、ボイラー用などである。

 建物内の生ごみや他のごみの処理には焼却炉、シュレッダー、厨房ごみのコンパクターをつかうなどの方法がある。ごみの収集、処理に便利な装置もあるが、水ではこべるものは建物外部の公共下水に放流するのがふつうである。最新の技術では、水を再利用することで廃棄物と公害を少なくすることが研究されている。


■参考文献・関連リンク


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