今月のindex

◎エッセイ: えほんはともだち (mitch)
◎おすすめ絵本:「THE Z WAS ZAPPED」(諸岡 弘)
◎おすすめ絵本:「いいおかお」−松谷みよ子あかちゃんの本−(くらむ)
◎感想文募集: 福音館文庫感想文募集 (れい)
◎エッセイ: ああ、読書感想文 (レインボー)
◎いってきました:ボローニャ国際絵本原画展(なかむらまさあき)

エッセイ
●えほんはともだち
mitch



 もともと特別子供向けの本が好きだったわけでもなく、ファンタジーの世界に惹かれていたわけでもない。 むしろもっと現実に起こりそうな物語とか、大人の世界を中心に描いたストーリー本を愛していた私であったのだけれど、娘をこの身に宿したとわかった時からすべてが変わってしまった。
 今まではただ横目に通り過ぎていた書店の児童書コーナー。それもたいていが店の奥まった場所にこぢんまりと設置されている目立たない場所がある時から私の気をひきつけはじめ、遠くからはっきりと呼びかけられているようなそんな感覚を受けるようになってきた。
妊娠したことで変化した心と体。体中の血液の種類まですっかり変わってしまったかのように、自分の変化にとまどいを感じていたあの頃。
もう自分ひとりの体じゃない。もうひとつの異なる心臓の主がだんだんその存在を主張しはじめるようになってきた頃、私はある一冊の絵本と出会った。「はらぺこあおむし」(エリック・カール作)。 表紙が「読んで読んで」と言っているみたいだった。 ひとりで誕生し、ひとりで旅をし、ひとりでさなぎになり蝶に生まれ変わるあおむし。 これから生まれてくる命は私達両親によって育まれるには違いないけれど、やがては自立しこのあおむしのようにひとりで生きていかなければならなくなる。 自立するということはこのあおむしのように失敗して痛い目にあいながら自分の道を探すということ。 あおむしの姿にまだ見ぬ我が子の姿を重ねてしまった自分。
こんなにわかりやすいシンプルな真実が美しく表現された絵本もあるのか。いったいいつから自分は絵本が子どものためだけのものだなんて思いこむようになっていたのだろう。 実際,自分が母親になってみるまで、絵本に魅せられている大人が少なからずいることに気がつかないでいた。絵本がなぜこれほどまでに愛されているのだろう。 それは単なる子どものためだけの知的な玩具にとどまらないからだと思う。 子どもを意識して子どもに喜ばれるだけのために産み出されたものであったとしたら、果たして何十年も版を重ねるほど愛される作品が存在したであろうか。 
作品を通して受け取る作者のメッセージ。 せかせかと仕事と時間の奴隷になっている時には見過ごしてしまう大事な宝物がいっぱい詰まった世界。子どもと同じ時間を共有できる大人は子どもと一緒に絵本のなかに入って、同じ感動を分かち合える幸せがある。こんなきっかけで絵本の魅力に開眼され、私は子どもの本の世界をすこしずつ知るようになったのだった。

おすすめ絵本
●《モロさんのこの本知ってる?》
「THE Z WAS ZAPPED」
クリス・ヴァン・オールスバーグ作
出版社=Houghton Mifflin Cmpany('87年発行)
定価=$8.95(約1100円)

JRAC関西支部代表 諸岡 弘

 実におもしろい絵本を見つけました。クリス・ヴァン・オールズバーグは日本でも多くの作品が翻訳されています。「ジュマンジ」「魔術師ガザージ氏の庭で」「西風号の遭難」などなど。いづれもそのニュークな作風は日本でも多くのファンを持っています。
この絵本は日本語に翻訳するより、英語のままの方がより楽しめます。それというのもアルファベッドがそのまま順番に出てきますが、ただの文字ではありません。例えぱAの場合、Aという文字に石ころが降り注いでいる場面が描かれています。ページをめくると、「The A was in an Avalanche」日本語に訳すと「Aは落石にあった」となります。つまりアルファベッドを使った動詞の単語に、それぞれの文字が変化させられているのです。Hの場合は「partiy Hidden」(一部分隠されていまい)Mの場合はbeginnibg to Melt」(溶け出し)
アルファベッドのAからZまでこんな具合です。英語が苦手な人もこれなら興味が持てるでしょうね。オールスバーグは彫刻家だから、ものの形の不思議さをこの様な絵本にしたのではないかと思います。

おすすめ絵本
●「いいおかお」−松谷みよ子あかちゃんの本−
松谷みよ子 ぶん  瀬川康男 え 童心社
くらむ

 ふうちゃんのまねしてねこもいぬもぞうさんも、いいおかお。そこへおかあさんがやってきて、みんなあっというまにおいしいおかおに。
 押さえ気味の色で描かれた動物たちの表情がとても豊かでかわいく、赤ちゃんとのあそびもひろがるやさしい絵本です。同シリーズの「いないいないばあ」と共に、初めての絵本としてもおすすめです。

募集!!
◇◇◇FUKUINKAN BUNKO◇◇◇

れい

「おとななんて大きなこどもだ。」福音館文庫創刊のキャッチコピーです。2002年6月、福音館文庫が創刊されました。子供の頃夢中で読んだ「ぐりとぐら」「エルマーのぼうけん」「ピーター・ラビット」シリーズの出版社が数ある名作の中から厳選して届ける文庫です。おもしろくないわけがない!というわけで全巻読破を目標に(勢いだけ?)読書感想文(懐かしい響きだ)のコーナーを作ってみました。僕は福音館文庫を応援します。

皆様の感想文も募集いたします。ふるってご参加下さい!募集要項及び掲載規定は
こちら
礼さんのHPへ 
http://www07.u-page.so-net.ne.jp/xc4/stereo/index.html

エッセイ
●ああ、読書感想文

レインボー

 読み聞かせ学習会に参加してきました。どこでも言われることですが、「読み終わったら感想を求めない」。これは鉄則のようです。とはいうものの、小・中学生が避けて通れないのが読書感想文。夏休みに苦しんだ小・中学生も多かったと思います。思ったままを素直に書けばいいんだよ、と私達大人は言いますが、これが難しいものです。実際、私達大人自身で書いてみれば実感できると思います。そして、どこまで親が指導するのか。誘導された感想はどこまで真の感想でしょうか?子どもは時にはとても新鮮な視点の感想を書いてくれます。でも、そういう時に限って本筋から離れた感想なんですね。提出用感想文には向かない。本当は親子で脱線した感想も楽しみたいけど、ぐっとこらえて本筋の感想へと誘導してしまうのです。あらすじはいらない、と言われるけど、感想だけの感想文は難しいものです。さ、読書感想文が終わったら、親子で真の読書の秋!

●ボローニャ国際絵本原画展
     西宮大谷記念美術館
なかむらまさあき

 夏と秋の境目の日・・・阪神電車 香廬園にある西宮大谷記念美術館へ出かけました。我が家では毎年「秋のはじめはこの展覧会を見に行って・・・」と、恒例となった行事です。だからみんなずっと楽しみにしているし、ほんとにわくわくする展覧会です。
 駅から美術館までの街もほんとに閑静で、美術館もとても落ち着けるいい美術館です。美術館までの途中の喫茶店やコンビニで、「前売り券」を会期が終わるまでずっと売っています。ちょっとずるいんじゃない!・・・なんて思う族もなく、なかなか良心的だね・・・と思える街です。行かれる節には、ぜひ前売りを買っていかれることをお勧めいたします。
 さすがに世界の作家の集大成です。その質高く、学ぶところ大きな展覧会です。絵の具がこんなにきれいだったのかと驚き、こんな線が筆で描けるのかと目からウロコです。ことしは日本の作家が多く選ばれていました。また全体的にはコラージュやCG、フォトなどが目立ちました。作品は子供達と一緒に楽しく鑑賞できるし、一つひとつの作品をお母さんが読んで聞かしてあげている光景があちこちで見られる館内です。日限定で要予約ですが、託児所も設けられます。
ぜひ家族で出かけて下さい。きっと楽しい一日になること請け合いです。

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