今月のindex
◎エッセイ:『かいけつゾロリのラーメン対決』(レインボー)
◎おすすめ絵本:「100万回生きたねこ」を読んで(Rei)
◎おすすめ絵本:『マドレーヌといぬ』(レインボー)
◎おすすめ絵本:「ロジャー・デュボワンザンの描く世界」(mitch)
j◎エッセイ:それとなく絵本的:第7回(吉田進み矢)ニヒニヒ
エッセイ
●『かいけつゾロリのラーメン対決』
原ゆたか ポプラ社
レインボー
ポプラ社の新・小さな童話 ( 184 )
かいけつゾロリあついぜ!ラーメンたいけつ
原ゆたか さく
小学初級向
定価:本体 900 円(税別)
画像の使用許可をいただいています。
小1の次男のカタカナ問題の答え合わせをしました。
問:( )のところにカタカナをかいてぶんにしましょう。
ニ( )ニ( )とわらう。
普通は「ニコニコ」、「ニヤニヤ」でもいいですね。ところが、次男の答えは「ニヒニヒ」!?
「なにこれ!?こんな言い方ないよ」と次男に尋ねると、「だってゾロリにあったもん!」
半信半疑で調べてみると・・・たしかにゾロリがニヒニヒ・・・と笑っている場面がありました。
そう、今彼はお兄ちゃんと一緒に『かいけつゾロリ』シリーズに夢中。
その時は移動図書館で二人してそのシリーズを10冊ほど借りていました。
なのにその中から迷わず1冊取り出し、この本にあるよ、と差し出したのです。
おそるべし、ゾロリ・・・。僕は絵本をほとんど読まない子供でした。テレビでコメディアンがパイを投げ合ってる
おすすめ絵本
●「100万回生きたねこ」を読んで
佐野 洋子作・絵 講談社
Rei
著者: 佐野 洋子作・絵
本体価格: \1,400
出版:講談社
サイズ:25×27cm / 31p
ISBN:4-06-127274-8
発行年月:1982
利用対象: 幼児
のを見ている方が楽しくって。まぁ、あんまり夢のない子供だったのです。
歯医者さんの待合い室にあった「100万回生きたねこ」を先日、初めて手にとって読みま
した。今、歯の治療中なのです。知り合いだった女の子が、そういえば好きだった絵本。
僕は「なんだい、くだらねえ」と言っていた絵本。
当時は「絵本なんて子供のものさ」と思ってました。 まぁ、友達とカラオケ言ったり
ドライブしたりする方が楽しかったのです。でもほんとに「絵本なんて子供のもの」で
しょうか?少なくともこの物語に登場する「ねこ」に、僕は自分を重ねて読みました。
三十過ぎのいい大人が「ねこ」に感情移入できるのでしょうか? でも感情移入した
のだから仕方ありません。この物語の「ねこ」は「死ぬことなんてこわくない」と虚勢
を張って生きている「つよいねこ」です。 実際なんべんもなんべんも、なんと100万回
も死んで生き返っているのです。すごい?僕もすごいと思いました。 僕もこのぐらい
「つよいねこ」になってみたいものだと思いました。でもこの「つよいねこ」が一匹の
「白い猫」に出会うのです。「ねこ」が「オレは100万回も死んだんだぜ」と言っても
「あら、そう」と一言。この一言は読んでいる僕にとっても、とってもとっても心に響
く一言でした。「あら、そう」そ、それだけ?「ねこ」も僕も「100万回も死んだこと」
が突然大した事じゃないと思ったのです。それから「ねこ」は「白い猫」と結婚して子
供が生まれます。「ねこ」はたぶんホントに大切な「何か」を知って、死ぬことの意味
にも気付いたのだと思います。そしてその「何か」を見つけたとき、「ねこ」は永遠の
いのちを知るのでした。
「何か」とは何でしょうか?それが作者が心から訴えたかったことだと思います。そし
て子供たちの心にいつまでも、この「何か」を願い求める気持ちがあれば素晴らしいこ
とだし、世界はもっともっと平和になるのかもなと、診療所の待合い室で僕はなんとな
く思ったのでした。よく目にしていたものの、表紙の少し暗いトーンに敬遠していた本ですが、読んでみ
おすすめ絵本
●『マドレーヌといぬ』
ベーメルマンス 福音館書店
レインボー
著者:ルドウィッヒ・ベーメルマンス作・画
瀬田 貞二訳
本体価格: \1,300
出版:福音館書店
サイズ:A4変形 / 52p
ISBN:4-8340-0363-9
発行年月:1973
利用対象: 小学1−2年生 小学3−4年生
画像の使用許可をいただいています。
るとなかなかおもしろくて、惹きつけられました。
パリのある古い屋敷に住む12人の女の子たち。中でも一番元気なのがマドレーヌ。
このおはなしは、おぼれそうになったマドレーヌを助けてくれた犬を飼うことになった
少女たちの騒動記。ミス・クラベルが部屋を出て行くと大騒ぎになるところは修学旅行
を思い出させます。でも私のお気に入りは何と言っても親代わりのミス・クラベル。
厳格そうで、でもしっかり少女たちの気持ちに寄り添っているのです。いつの間にかミ
ス・クラベルの視点に立っている自分に複雑な心境です。おすすめ絵本
●「ロジャー・デュボワンザンの描く世界」
mitch
最近とても心惹かれる作家に出会いました。ロジャー・デュボアンザンです。
1904年スイス生まれの作家で、絵本も古い時代に発行されたものがほとんどなんですが、
今読んでみても時代を超えて共感できるところがたくさんあるのです。
一番最初に手にした絵本が、『せかいのはてってどこですか?』(童話館出版)でした。
この絵本ではデュボワンザンが絵を担当していて、お話はトゥレッセルトなのですが、初
めて世の中に飛び出そうとする者を、優しく後押ししてくれるような心地よい読後感を持
ちました。
先日図書館に出かけたとき、今度は『がちょうのペチューニア』と、『ペチューニアの
だいりょこう』(共、冨山房)を借りてきました。 これら2冊も、期待を大きく上回る、
すばらしい絵本でした。 『がちょうのペチューニア』は、ペチューニアが一冊の本を拾
い、それを文字通り「手にした」だけで賢くなったつもりになってしまうというお話です。
にわか賢者のペチューニアのおかげで、友だちは大迷惑を被るわけですが、それでもペチ
ューニアが責め立てられるわけでも、落とし前として罰を受けるわけでもありません。
罰せられることで自分の愚かさに気付くのではなく、あくまでも失敗を通して自分を見つ
め直すきっかけを与えられるだけです。 その辺に、デュボワンザンの優しさが感じられ
ます。
『ペチューニアのだいりょこう』は、家族や仲間たちと農場で平和に暮らしていたペチ
ューニアが、空を飛ぶ飛行機を見て、世界を自分の目で見てきたい、と一人で冒険旅行を
試みるというお話です。 農場しか知らないペチューニアが見た世界は、大都会で四方八
方自分より大きなものばかり。どんどん自分が小さく縮んでいくような気がして、落ち込
んでいくばかりです。 田舎の平凡な「主婦」だったペチューニアが都会で右往左往する
ところでは、ちゃんと助けてくれる親切な人たちがいます。ペチューニアは心温かい人た
ちに守られ、やがて元の場所に戻っていくのですが、だれもペチューニアの無謀さ、子ど
も達をほっぽらかしにした無責任さなど、責める仲間はいません。 温かいのです。とに
かく、世の中で出会う人たちがとても優しいのです。
有名な昔話といえば、大抵が世の中の厳しさを教えるものです。『三びきのこぶた』
『おおかみと七ひきの子やぎ』『赤ずきん』『ヘンゼルとグレーテル』今ざっと思い出し
てみただけでも、気を抜くことのできない信用ならない者たちが世の中にはうようよして
いて、自分の智恵しか頼るものはないという、世間に対する緊張感を感じずにはいられな
いお話が多いような気がします。 そういったお話を聞かされて育ってきた子ども達にと
って、デュボワンザンの描く世界はどのように映るでしょう。 「さぁ、恐れないで、外
に出ていってごらん。」 そんなふうに優しく背中を押され、希望を持って一歩踏み出し
てみよう、とそんな気分になるのに違いないと思うのです。エッセイ
それとなく絵本的:第7回
■絵本と漫画。
吉田進み矢
今年、絵本作家のいわむらかずおさんがデビュー30周年を迎えるそうです。それに合
わせて、3月に『徹子の部屋』にいわむら先生が出演したり、童心社では『14ひきシリ
ーズ』のBOXを作り直したりと、周辺がにわかに盛り上がっているようです(朝日新聞
社も動いているそうな)。
で、いわむら先生と言えば、今ならば『14ひき』よりも『かんがえるカエルくん』(
福音館書店)を思い浮かべる人の方が多いのでは無いでしょうか。
この絵本、まあ、そこそこ面白く、完成度も高く、プレゼント向きな一冊ではあるのです
が、実際は絵本では無くて「漫画」なんですよね。
絵本と漫画の違いはザックリ言って、「文章化の可否」だと、僕は考えてます。更に砕い
て言うと、「ノベライズできるか否か」という感じでしょうか。絵本は、「絵=言葉」と
なっているんですね。で、漫画は文章を視覚化していると。
ただ、そうとも言えない作品もあります。じゃあ、「『となりのせきのますだくん』(武
田美穂 ポプラ社)や、『タンタンシリーズ』(エルジェ 福音館書店)はどうよ?」と
言われたら、「これらは漫画です」と僕は答えてしまうでしょう。
★格言:絵本は、コマ割りするとしても1ページ2コマまでである。
そう言えば、コシヒカリ「穂の香」のパッケージイラストがカエルくんなのですが、あの
件には福音館書店は一切関係していないそうです。どういう経由でいわむら先生に打診が
行ったのか興味を引きますわ。
〔 関連図書 〕■かんがえるカエルくん
http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-susumiya06386&bibid=01334673
■となりのせきのますだくん
http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-susumiya06386&bibid=00768849Back / Menu / Next
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