最南端のローカル線へ

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〜その3〜

 吉松から人吉への区間は、直線距離で約20kmの山岳路線。ループ線あり、スイッチバックありと楽しめる区間で、今回乗ったのは「しんぺい」。普通列車ですが観光列車と位置付けられ、ワンマンのディーゼルカー1両ながら観光案内のテープが流れ、ビューポイントでは徐行運転のサービスもあります。一部のシートは座敷になっていましたが、残念ながらすでに先客がいました。(下の車内の写真は人吉に着いたあと撮影しました。)

 ちなみに「しんぺい」とは肥薩線が鹿児島本線として開業した当時の鉄道院総裁後藤新平氏に因んでいます。人吉からの「いさぶろう」の折返し運転で、こちらは時の逓信大臣山県伊三郎氏に因んだ命名です。いちばんの難所であった矢岳トンネルの入口には、南側は鉄道院総裁後藤新平氏の「引重到遠」北側には山県伊三郎氏の「天険若夷」の額がかかっているということです。

 最初の停車駅は真幸。ホームに「幸せの鐘」がある、山あいの小さな駅でした。ちょうどこの列車に乗り込む人のお見送りがいらっしゃって、なごやかなムードが漂います。ちなみにこの駅はスイッチバックで、駅を発車すると逆方向に動きだし、さらにもう一度向きをかえて峠を登ります。(最後に後ろを振り返るとこんな感じです。左が吉松、手前が人吉。)

 真幸を出てほどなく、日本三大車窓とも言われる場所にさしかかります。ここでは徐行運転のサービスがあり、えびのの盆地を見下ろします。このまん中をつい数十分前に通ったんだなぁ、と思いながら眺めていました。先ほど吉都線から見えたループ橋はこのすぐ近くのはずですが、この車窓からは見えません。

 このあと、列車は矢岳トンネルに。先ほど紹介した額を確認しようと思いましたが、急勾配のためか徐行はなく、残念ながらはっきりと確認はできませんでした。

 次は矢岳。ここでは8分ほどの停車時間がありました。小さな集落が見えますがあたりは静かで、ディーゼルエンジンの音だけが響きます。構内には人吉市SL記念館という建物があり、中にはD51閉塞機が展示されていました。

 矢岳からは峠を下ります。いくつかトンネルを抜けると、列車はループ線にさしかかります。次の大畑はループ線の途中にスイッチバックがあるという珍しい存在。ループ線に入る直前にはまた徐行し、眼下には大畑の駅が見えました。

 大畑では4分停車。傾きかけた陽射しがちょっぴり眩しく、列車とレールを輝かせていました。反対側は「いさぶろう」になっていました…。駅舎の中には、訪れた人たちが貼っていったきっぷや名刺がびっしり。

 大畑を出てしばらく下ると、人吉の町並みに入り、終点の人吉着。駅前に出てみると、駅舎は城を模したつくりになっていました。街中を歩こうとも考えていましたが、体がだるいので、駅前で栗めし中身)を購入したあと駅で次の発車まで過ごしました。

 人吉から川内までは球磨川に沿って走ります。夕暮れの谷あいを走っていく列車、人の流れと逆向きのせいか車内は閑散としていました。やがて日もとっぷりと暮れ、川内に到着。

 鹿児島本線の普通電車で熊本へ。このまま普通電車を乗継ぐとムーンライト九州に間に合わないので、熊本から大牟田まで特急つばめに乗車。乗車時間は30分しかないので、混んでいた自由席ではなくビュフェで過ごしました。コーンスープをいただきながら時々通りすぎる駅の灯を眺めていると、ビュフェにも検札が来ました。
 大牟田からは普通列車で博多に向かいます。がら空きの車内で先ほどの栗めしを出しましたが、どうにも食欲がなく半分だけ食べ、あとはうとうとしていました。そして博多からは快速「ムーンライト九州」で九州をあとにします。指定席はほぼ満席のようでした。

 一夜明ければもうそこは関西。大阪でがらがらになり、終点の京都へ。ここからまた普通列車を乗継いで横浜に向かいます。調子がよければ草津の実家に寄っていこうかと考えていましたが、その気がおきずそのまま米原へ。米原からの快速でもぶじ着席できたものの、名古屋が近づくとかなり混雑し、なんだか嫌気がさして名古屋で降りてしまいました。

 名古屋駅で向かったのは、JR東海ツアーズの窓口。こだま号限定の格安のツアー「ぷらっとこだま」を利用してみようと思いましたが、普通車用はすでに売り切れ。グリーン車用ならあると言われ、なんとお値段はふつうに指定席特急券と乗車券を購入するのと数百円の差。体調を考え、迷わず決めてしまいました。
 ぷらっとこだまにはドリンクがついています。いつもならビールをいただきたいところですが、ペットボトルのジュースにしておきます。指定された席は2階席でした。同じ室内には2組ほどの客がいましたが、三島からは私だけになってしまいました。
 正月明けのせいか、珍しく富士山がその全容を見せていました。


 2日間の九州のようす、ご覧いただきましてありがとうございました。また今回九州で一部ご同行くださった筑紫のZ氏、ありがとうございました!


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