最南端のローカル線へ

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〜その2〜

 1月5日。朝食をとったのち7時半前に宿を出て枕崎駅に戻りました。駅は小ぢんまりとしていたものの一角には観光案内所を兼ねた売店がすでに開いていました。
 3番目の列車である7時43分発の西鹿児島行きは、山川から快速運転になりますが、車両は前日に指宿まで乗った黄色のキハ200ではなく、元急行型でボックスシートのキハ58でした。

 枕崎から乗ったのは私を含めて4人。2両のディーゼルカーは閑散としています。が、途中駅からは数人ずつ乗ってきて、いつしかどのボックスにも人がいる状態になりました。冬の朝日を受け、車窓には薩摩半島から海に突き出た格好の開聞岳が見えてきました。

 開聞岳を見ながら進むと、ほどなく日本最南端の駅、西大山に到着。ここからも数人の乗客があり、また交換設備のない単線の駅なので停車時間は僅か。駅名標を見るのがやっとでした。できれば途中下車してのんびりと風景を眺めてみたいところですが、今回はそのまま鹿児島を目指します。

 次の大山から私のいたボックスに男性が1人同席。周りを見るとすでに空いているボックスはなさそうでした。車窓に、全国に十数カ所しかないという地熱発電所が見えてくると、まもなく山川。ここからは運転本数がぐっと増えます。車内も賑やかになってきました。

 続いて指宿に停車。この路線の中心ともいうべき町です。ここでどっと乗客が増え、空席はなくなりました。私のいたボックスには女性客が1人加わりました。聞けば彼女、指宿の実家で年末年始を過ごし、鹿児島から友人の車で東京まで帰るという…なんとすごい!そして、先ほどの男性もやはり山川の実家で過ごし、鹿児島からは空路で大阪へ帰るということでした。3人でしばらく話が弾み、西鹿児島までの時間がとても早く感じられました。

 西鹿児島からは再び一人旅になります。狭い階段を上りなんとか乗り換え、発車までほんの少し時間があったのでホームに出てみました。そこには国鉄時代の塗装に戻った急行型455系電車(もちろん今は普通列車の運用です)と485系特急きりしまが並んでいました。時間に余裕がなかったので、写りが悪いのはご勘弁(^^;

 西鹿児島から乗った日豊本線の普通電車は昨日同様455系でしたが、元グリーン車を改造した車両でした。座席は固定されて動かないものの、席間はゆったり、背もたれもやや深めに倒されていて、普通の車両よりかなりラクです。(こんな感じ)
 このあたりから体調が芳しくなくなってきました。どうやら風邪をひいてしまったみたい…。そういえば指宿枕崎線の車中でおしゃべりしていた時、少しだるかったかな。こんな状態でグリーン格下げ車両にあたり、これはこれで幸運でした。

 鹿児島を出ると山が迫り、鉄道と国道が寄り添うように海岸線を走ります。次の竜ケ水は、平成5年8月に土石流による災害が起こった場所。死者4名、けが人多数、この災害のもようはたびたびテレビ等で取り上げられているのでご存知の方も多いでしょう。駅の構内には慰霊碑がありました。が、知らなければとてもそんなことがあったとは想像もできないような、静かな駅でした。
 電車は錦江湾に沿って進み、その対岸には桜島の姿が見えます。

 錦江湾を離れると、隼人。ここから肥薩線に乗り換えます。発車を待っていると先ほど西鹿児島で見た特急きりしまがやってきました。この電車を見送り、ディーゼルカーはえびの高原に向けて出発です。
 ふと轟音に目をやると、列車の上を航空機が通過していきました。すぐ近くに鹿児島空港があり、そこへの着陸便のようです。しかしこのあたりは緑ゆたかな山の中、知らなければ空港があるとはわからないかも。
 この肥薩線は、開通当初は鹿児島本線でした。歴史があるためか、古い駅舎がそのまま残っていて、まるでタイムスリップしたような気分。

 山を登り、視界が開けると栗野。ここからかつては水俣へ通じる山野線が分岐していました。目を凝らしていると線路跡のような道路が近づいてきます。これが山野線の跡かな、と思い眺めていると、合流した直後に「山野線跡」に花文字がありました。
 栗野を出ると次は吉松、えびの高原の入口です。ここで一旦、えびの高原を抜けて都城に通じる吉都線に乗り換えてみました。発車まで時間があったので駅前に出てみると、立派な蒸気機関車が。屋外にありながらかなり手入れが行き届いているようで、その堂々たる勇姿にしばし佇んでしまいました。

 風邪のせいか、なんだかぼーっとしたままのどかな車窓を眺め、気づくと1時間半が過ぎていました。終点の都城では6分の停留ののち折返して吉松に戻ります。往復とも沿線の高校生が入れ替わり立ち替わり乗っては降りていきました。通学でこれだけ定着していれば路線としては安泰かな…と思いつつも、やはり車内はローカルムードが漂います。車両が元急行型のキハ58ということもあるのかも。

 小林を過ぎると、車窓には国道221号線のループ橋「霧の大橋」が見えてきました。国道はえびのから真北に一直線に峠を越えて人吉へ向かいますが、列車の場合は一旦吉松まで出てからあらためて北へ向かいます。このあたりは遮るものがない盆地のためか、この橋がずっと見えたまま。30分近く同じ風景が車窓から見えるというのも珍しいかもしれません。

 吉松からは、肥薩線に乗り換えて峠越えです。


その3につづく

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