「平平点描」の「平平」は、平安時代の「平」と平成時代の「平」の文字から取ったもので、「平平点描」とは、千年の言霊と言うべき「百人一首」を通して、千年昔の平安時代と平成時代を比較点描しようとしたものです。 百人一首に読まれている主題は、人の一生の中で遭遇するいろいろな人生の課題に及んでいるわけですが、詰まるところ人間の問題ですから、千年の昔も現代も変らないのではないかと思います。 百人の歌人の和歌は、一見叙景的な歌のように見えても、実は己の人生の心の内を一纏めにした叙情歌になっているものが多くあるように思います。 各々の和歌の中から一語句、一用語を取り出して、現代から千年の昔を透視してみたいのです。
平成六年(西暦一九九四年)は平安遷都の延暦十三年(西暦七九四年)より数えて丁度千二百年目の年に当ります。その年の中に見聞した平成時代の事象から平安時代が引き出せるように試みました。 百人一首の一首毎に話を区切りつつ、かつ一話毎に次のような内容について補足しております。
一。言葉の世界への散歩・・・・・・・和歌の中の特徴的な歌語を探るもの
二。百人一首の談話室・・・・・・・・和歌に関連する事象の時代的特徴を選んだもの
三。百人一首の道草・・・・・・・・・和歌から思いついた事項を蛇足的に書き留めたもの
四。百人一首の忘備録・・・・・・・・和歌に関する事象を覚書のように追記したもの
五。百人一首の百人家族・・・・・・・歌人について思いついた関連事項を付記したもの
それでは、千年昔のメッセージ「百人一首」の世界に足を踏み入れてみましょう。
なお、百話の文頭に据えた「百人一首」の歌は、樋口芳麻呂校注・岩波文庫(三0ー一二七ー一)
「王朝秀歌選」の依っております。
第 一話 事始め 第 二話 衣替え 第 三話 歌聖
第 四話 富士の雪 第 五話 奥山の秋 第 六話 七夕
第 七話 海外留学 第 八話 都の辰巳 第 九話 長雨と美女
第 十話 交通と駅 第十一話 遣唐使 第十二話 天津乙女
第十三話 雨乞ひ 第十四話 信夫もぢづり 第十五話 旬の料理
第十六話 単身赴任 第十七話 神代の伊勢物語 第十八話 夢
第十九話 短き葦の間 第二十話 みをつくし 第二一話 月々の月
第二二話 文屋の漢学 第二三話 翻案 第二四話 宮仕へと左遷
第二五話 さねかづら 第二六話 行幸 第二七話 言葉のいづみ
第二八話 隠居 第二九話 白菊 第三十話 憂きは曉
第三一話 白雪 第三二話 しがらみ 第三三話 しづこころ
第三四話 昔の友 第三五話 昔の香 第三六話 夏至の宵
第三七話 白露 第三八話 大和物語 第三九話 忍ぶ恋
第四十話 色に出づ 第四一話 生き甲斐 第四二話 請負稼業
第四三話 知る悩み 第四四話 逢ふことの悩み 第四五話 ロマン大臣
第四六話 舵緒絶え 第四七話 旧跡 第四八話 砕く身と心
第四九話 対句 第五十話 短命 第五一話 燃ゆる思ひ
第五二話 明け暮れの道 第五三話 独り寝の夜 第五四話 限りある命
第五五話 名こそ流れて 第五六話 この世の外 第五七話 雲隠れ
第五八話 津の国の風 第五九話 代筆伯母さん 第六十話 丹後の風景
第六一話 奈良の都 第六二話 漢籍 第六三話 人づての通信
第六四話 墨絵の世界 第六五話 乾さぬ袖 第六六話 知る人
第六七話 春の夜の夢 第六八話 煩ひと浮き世 第六九話 作意と作偽
第七十話 秋の夕ぐれ 第七一話 稲葉の音 第七二話 高師浜のあだ波
第七三話 尾上の桜 第七四話 山颪 第七五話 就職と親心
第七六話 雲と波 第七七話 運命の狂ひ 第七八話 淡路と須磨
第七九話 雲間の月 第八十話 黒髪の乱れ 第八一話 視覚と聴覚
第八二話 口説き涙 第八三話 道理 第八四話 高齢化社会
第八五話 閨の隙間 第八六話 かこち顔 第八七話 雨と露と霧
第八八話 難波のみをつくし 第八九話 玉の緒 第九十話 あまの袖
第九一話 きりぎりす 第九二話 沖の石 第九三話 常ならぬ世
第九四話 衣打つ 第九五話 墨染めの袖 第九六話 高齢世代
第九七話 明石大橋 第九八話 水無月祓え 第九九話 恩讐のわだつみ
第 百話 古き軒端
|
|||
|
|