新聞(読売新聞平成14年5月12日付)を開きますと、****「太平洋ひとりぼっち」再び****の 見出しで、ヨットマン堀江謙一(かっての青年)さんのヨットでの船出写真が載っています。 この「太平洋ひとりぼっち」とは、今を去る40年前の昭和37年5月12日、全長わずか5.8m 約1トンにしか満たない小さなヨット・愛称「マーメイド号」で94日間の太平洋横断に成功し、 当時の日本人を、また太平洋の彼方の米国サンフランシスコの人々を、さらにはヨットマンの 世界の人々を、あっと言わせた太平洋単独ヨット横断の記録で、その航海記はその年の菊池寛賞を 受賞した文芸作品でもあるのです。

<堀江青年>の新聞記事(左:平成14年(2002)5月、右:昭和37年(1962)8月)
昭和13年・1938 大阪市生まれ
昭和37年・1962 5月12日〜8月12日・94日間で太平洋ヨット横断航海に成功。
昭和48年・1973 8月〜49年5月・275日単独無寄港世界一周早周り記録樹立。
昭和53年・1978 地球縦周り航海・5年で達成。
昭和60年・1985 世界初ソーラーボート単独太平洋横断に成功。
平成元年 ・1989 長さ2.8m超小型ヨットで136日サンフランシスコ〜西宮・走破。
平成5年 ・1993 ハワイ〜沖縄間足漕ぎボート横断に成功。
平成8年 ・1996 アルミ缶リサイクルソーラーボート・5ヶ月で世界単独無寄港と
太平洋横断に成功。
平成11年・1999 ステンレス製生ビール樽再利用ヨットでサンフランシスコ金門橋
〜明石海峡大橋の単独太平洋横断航海・4ヶ月で走破。
まさに日本青年による地球規模的快挙であったのです。昭和30年代に於ける日本人は敗戦の 経済的に自信が出てきた時期ですから、このような出来事がありますと、敗戦というあらゆる面での 打撃から脱却して世界の人々に伍してやっていけるという精神面の自身をも裏付けることになりました。 当時は、戦後の復興と経済的繁栄は、最高潮の時で、日本人全体が豊かな社会造りの夢がほぼ手中に 出来つつあった、しかも将来に何かの希望を持ちつつ生きていた時代であったのです。 そういう時代には、どの年代層の人々も元気があり、何か新しいことをやりたい、達成度の満足が 得られることに挑戦してみたいと思いつつ、人生を前へ前へと模索していた時代でもあったのです。 その後の堀江青年の数々のヨットによる世界制覇の望見は、目を見張るものがあります。 最近ではヨットによる各種の冒険を「ヨット人生」として楽しんでいるかのようです。 新聞記事に依りますと、5月12日に西宮ヨットハーバーを出港した堀江さんのヨットは、刻々 ホームページで航海の状況がつかめるようになっているそうです。 40年前の情報の手段と比較しますと、大変な社会変化と言わざるを得ません。 今度は、堀江さんになった気持ちで、常に「マーメイド号」を追いかけることが出来ると共に 一緒に太平洋を渡ることが出来るのです。もっともパソコンの画面上ですが。 今回も成功裏に終わることを願ってやみません。 (平成14年5月19日)
上記の記事を採りあげてから、68日目に新聞一面記事は、次のような朗報を伝えています。 当然と言えば、それまでですが、「堀江青年」だから為し得たことなのです。「昭和ティーンズ」の 大活躍に拍手を送りたいと思います。


昭和30年代、「戦後の経済的成長を支えた最前線の人々」は「昭和一桁生まれの人々」だと言われ ました。確かに、昭和10年までの人は、戦後20年代には、働き盛りの20代の青年層であった わけで、昭和10年代生まれの人々は、未だ子供で勉強中でした。 堀江謙一さんは、1938年昭和13年生まれの「昭和ティーンズ」ともいうべき、昭和10年代 生まれの人です。 大変興味深いことですが、この年代の人々に、戦後特に堀江さんが世界をあっと言わせた時期以降 別の分野でも同年代の人々が活躍しています。 関係事典(「現代日本人物事典」旺文社(1986))から、世界的に通用する人物をリスト アップしてみますと次のようになります。
| 生 年 | 分 野 | 氏 名 | 活 動 | 関連する国際人 |
|---|---|---|---|---|
| 昭和10年 (1935) | 音楽 | 小沢征爾 | 昭和34年より ヨーロッパへ |
黒沼ユリ子(ヴァイオリニスト) (昭和15年生) 坂本九(歌手) (昭和16年生) |
| 昭和11年 (1936) | スポーツ | 神永昭夫 | 昭和39年 東京オリンピック |
小野清子(女子体操選手) (昭和11年生) 山中毅(水泳選手) (昭和14年生) |
| 昭和12年 (1937) | 政治 | 小渕恵三 橋本龍太郎 森喜朗 | 内閣総理大臣 | 小泉純一郎(内閣総理大臣) (昭和17年生) |
| 昭和13年 (1938) | 冒険 | 堀江謙一 | 昭和37年 ヨットで太平洋横断 |
植村直巳(登山家) (昭和16年生) |
| 昭和14年 (1939) | 学問 | 利根川進 | 昭和62年 ノーベル医学生理学賞 |
大江健三郎(作家) (昭和10年生) |
| 昭和15年 (1940) | スポーツ | 王貞治 | 昭和52年 ホームラン世界記録 |
青木功(ゴルフ選手) (昭和17年生) |
堀江謙一さんと同じように、「地球狭し」とばかりに、世界の各地を走破した植村直巳さんも「昭和 ティーンズ」でした。 そう思って、新聞を拡げますと、植村さんに続くような快挙を成し遂げている、これ又「昭和 ティーンズ」の人が、後に続いています。

65歳の人(したがって、昭和11年生)がチョモランマ(エベレスト)登頂に成功し、最高齢 記録を更新したとのこと。 驚いたことに、女性の最高齢登頂者は、なんと日本人で、これまた63歳の人(昭和14年生)と いうことですから、日本人の「昭和ティーンズ」は、女性も男性も頑張っていることになります。 さて、さて、「昭和ティーンズ」連は、平均寿命で見てもまだ15年から20年は、活躍できるわけ ですから、大いに威勢のいいところを21世紀でも残してほしいものです。
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