ここはトアール王国のお城の近く。一人の少女が快晴の空のした、その日差しを浴びながらぼんやりとベンチに腰掛けている。
「ふぅ」
彼女は視線の先から歩いてくる人影を見て、軽い溜息一つしてからゆっくりと立ち上がる。
そして……
「だらあーっ!!」
視線の先にいる二人の男に向かって猛進。
「まさか?!」
「あっちからしかけぐあっ!!」
もう一人の男が言い終わる前に、その男は吹き飛ばされ地面に倒れた。
「うざい!」
その言葉と共に、猛進した勢いの体当たりで一人を吹き飛ばした少女は回し蹴りを放ち、状況についていけない経っている方の男を蹴飛ばした。
「あたしの顔も三度まで。いいかげんうっとおしいから、あんたら潰しに行かせてもらうわ。場所教えなさい」
のっそりと起き上がった二人は、少女の迫力に寒気を覚えつつそれには応じなかった。
「悪いが教えるわけには」
そこまでで、構えを解いていない少女が、ゆっくりと右拳を引きながら、
「あたしを浚おうとする無謀極まるアホ組織のアジトと自分の命。天秤にかけて見なさい?」
どこか楽しげにすら思える調子でそう言った。
「……ドッカ村の先のムコウ山の頂上のテキ塔です……」
逡巡の後、二人の男は声をそろえて答えた。それに少女は満足げに頷きつつ、二人の男に言伝をする。
「そうそう、わかればいいのよ。じゃ ボスってのがいるんならそいつに伝えて。これから爆裂姫様直々にぶっ壊しに行ってやるって」
それに頷くかわりに、二人の男は逃げるようにして元来た道を戻って行った。
「ブラックビート、また来たんでっか?」
城に戻った少女、爆裂姫ことスタン=プローズは、そう四角い鉄の集合体みたいなロボットに声をかけられた。
「よくわかったわね?」
「溜息ついてましたやろ今?」
「地獄耳ねぇオーディー」
「まあ、姫様の作品やからなわい」
大の男を一撃で吹き飛ばすほどの怪力なこの姫様、発明化と言う側面も持っており、このオーディーはその作品の一つ。
「ちょっとリアルに人になりすぎちゃったかしらねぇ?」
「それはわいの学習機能の優秀さがゆえとちゃいます?」
「まあまあ、自分でよく自分をほめますこと?」
「姫様には言われたないです」
「やってるやってる」
「おーっす」
「うさぎにビールじゃない、ちょうどいいとこに来たわね。まさに渡りに船」
「うさぎ言うな!「ビール言うな!」」
姫様の友達、爆牙佼(ばくが こう)とホワイト=エクスプリート。姫様には佼はビール、ホワイトはうさぎと呼ばれている。
「ったく、いいかげん慣れなさいよね。あたしはあんたらのことは、ビールとうさぎとしか呼ばんの、わかった?」
「「わかれるか!」」
「それはそうとよスタン。ちょうどいいってのはどういうこった?」
「そういやそうやな?」
「今度はいったいなにをたくらんでんのよ?」
「うさぎ? ずいぶんと失敬な物言いねぇ?」
「だって、あたしたちを巻き込む気なんでしょ?」
「だからってよからぬことって決まったわけじゃないでしょうが?」
「お前がよからぬこと以外をしたことがあるkがはっ?!」
「一本逝っとく?」
「気軽に人の骨を折ります宣言するんじゃねえよ。まったく、なんて爆裂な姫だ……いてて」
「だってあたし、爆裂姫だもーん♪」
「こんにゃろう、いちいち腹立たしい……!」
「で? スタン、あたしたちを巻き込んでなにをおっぱじめようっての?」
「うん、ブラックビート 知ってるわよね?」
「お前を浚おうとかしてるアホ連中のことだろ?」
「できるわきゃないってのにね〜」
ホワイトのあきれたようなひとことに同意しつつ、姫様は自分がやろうとしていることをみんなに話す。
「でさ、今さっきまた来たわけ」
「またか? んとに懲りねえのな、ブラックビートって」
「んで? そのブラックビートがどうしたの? って言うかブラックビートをどうするの?」
「察しがいいわねぇうさぎ。そう、そのブラックビートをぶっ潰そうと思ってさ。一人じゃ暇だからあんたらも来て」
「まじでか?」
「暇だからって……」
「なるほど。姫様が考えそうなことやな」
「んでスタン。ブラックビートを潰すにしたって、拠点っつーの? それの場所わかってんのかよ?」
「大丈夫、今さっき来た奴に聞き出したから」
「で? どこなの?」
「ドッカ村の先のムコウ山の頂上のテキ塔だって言ってたわ」
「歩いて三日ぐらいかかりますなぁ」
「充分だわね。往復六日暇が潰れる」
「暇つぶしに潰されるブラックビートもかわいそうだぜ」
「ほんとよねぇ」
「ほら、いいからちゃっちゃと準備しなさい」
「ああ、はいはい。ったく、パワーに物言わせて従わせやがって。往生尽くめはやめろっての」
「人聞きの悪い言い方はよしてよね。うまく御してるっていいなさいよ」
「お前なぁ……」
「とにかく佼、いくわよ。スタン、20分後に城門前集合でいい?」
いざやるとなったら行動の早いホワイト。彼女の言葉に頷きつつ姫様は答える。
「話が早くて助かるわうさぎ。じゃ、そういうこってブラックビート壊滅に行くわよ!」
かくして欣喜雀躍の爆裂姫と、なんだかんだいいつつ楽しもうと決めた三人の暇つぶしの冒険が始まった。
ぷちミント「爆裂リメイク第一話、お久しぶりでございます」
スタン「やっとリメイクし始めたわね〜」
ホワイト「地の分が見てる人文体から、小説になったわね。雰囲気がぜんぜん違って面白いな〜」
ぷちミント「地の分より台詞とか状況のテンションを上げる方向にしようと思ってね」
佼「地の分、一貫してスタンの呼び方が姫様になってるな?」
ぷちミント「まあ、ネタナレーションのなごりと言うことで。実は俺的に久しぶりの三人称」
オーディー「実はあのテンション、かなりやりすぎとるんちゃうか? と自問してたとかしてなかったとか?」
ぷちミント「多少しました……」
スタン「んじゃ、そんなわけで 次の話もみなさいよ」
しゃあねえ まだ読んでやるか
波動をさけるため本を手放す