134校激突(資料:西日本新聞)
南部の雄柳川か・投手力を誇る小倉か・追う九産大九州
第71回全国高等学校野球選手権福岡大会は7月8日から熱戦の火ぶたを切る。参加校は南部大会75校(昨年は74校)、北部大会59校(同60校)。戦う134校は過去最高だった昨年と同数。初参加は春日高校(春日市)の一校だけ。両大会の1〜4回戦を勝ち抜いた南北八チームずつが県大会に進出、7月25日から久留米市の久留米球場で県代表の座を競う。「今年は混戦状態。南北とも力は接近しており全く予想がつかない」と関係者は語る。が、一方で南部勢がやや優勢かといった見方もある。シード校中心の展開になるかどうか、大会は一発勝負。過去、多くの有力校が一球に泣いている。混戦状態の中でどこが勝機をつかみ、勢いに乗るか。ギラギラと熱い日差しをはね飛ぱす白球の戦いが始まる。
南部地区で前評判が高いのは、昨年秋、今春と南部大会を連覇した柳川。投打ともに安定しリードしている。これを追うのがNHK旗の優勝校九産大九州と準優勝の沖学園。今春、南部大会準優勝の久留米商も力をつけてきた。さらに投手陣と機動力に磨きをかける東海大五が優勝争いに加わりそうだ。
北部地区では、まず投手力の小倉。ここも昨年秋と今春の北部大会優勝校。それに北九州市長杯で優勝した九国大付属、春の北部大会準優勝の常盤や鞍手が続く。東筑ダークホースの声もある。機動力の喰田野球は今年も健在。
昨年夏は、力投前田、九州のバース山之内ら福岡第一ナインが大活躍、決勝戦まで勝ち進んで甲子園に"福岡旋風"を起こした。今年の県代表は、どんなドラマを演じて見せるか。
■参加校の横顔(西日本新聞)
| 少ない得点を守備陣のかなめセカンド斉藤を中心に守り抜く。 悔いのない野球をモットーに初戦突破が目標
成績:7勝11敗 打率:.222
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■第1回戦 対大牟田北戦:平和台球場(平成元年7月10日)
波多江(修猷館)が完封
11奪三振、4安打の快投
修猷館は主戦波多江が好投、大牟田北を4安打11三振に抑え完封した。打線も6番福徳が2打席連続三塁打を放つなど、よく波多江を援護して初戦を飾った。
初回、二回の好機をつぶした修猷館は、三回無死一、三塁から、牛島の左犠飛で斉藤が生還。二死後、福徳、石黒の連続長打で2点を追加。五回、八回にも1点ずつを挙げ、最終回にはセーフティバントで出塁した山座が、盗塁とエラーで三進、荒木のワイルドピッチでかえってダメを押した。 【写真は大牟田北打線を4安打11奪三振に抑え、完封勝ちした修猷館・波多江投手】
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■第2回戦 対香椎高校戦:平和台球場(平成元年7月12日)
修猷館、接戦制す3−2の香椎リードで迎えた六回表、修猷館は二死一、三塁のチャンスに二番斉藤が右中間を破る三塁打。ランナー二人がかえり逆転した。八回にも修猷館は1点を加え、そのまま逃げ切った。
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■第3回戦 対西南学院高戦:西部運動公園(平成元年7月14日)
波多江(修猷館)西南を完封
修猷館・波多江、西南・日高の頭脳的な投げあい。九回に日高が力尽き、修猷館に軍配があがった。
初回、修猷館は一死一、二塁から四番牛島が右中間に長打コースの当たりを放ったが、まずい走塁で先制のチャンスをつぶした。西南も初回、一死満塁と攻めたが、吉田、村木が連続三振に倒れ、好機を逸した。
その後は波多江と日高の投げあい。修猷館は六回、一死満塁から福徳が右前タイムリーを放ち貴重な先取点。九回にも五十嵐、石黒の長短打と盗塁で二死二、三塁とし、緒方、岩井、斉藤の連続安打で3点追加した。西南もその裏、相手守備陣の乱れから一死二、三塁としたが、恵良の一撃を修猷館の斉藤二塁手がダイビングキャッチ。超美技で併殺にしとめた。 【写真:9回表、修猷二死二、三塁、緒方の右越え二塁打で三走五十嵐に続き二走石黒もホームへ、捕手岸本】
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■第4回戦 対伝習館戦:久留米球場(平成元年7月18日)
修猷館、県大会へ修猷館は、16安打を放つ猛攻で大量10点を奪い、伝習館を圧倒した。
修猷館は初回、一番岩井と三番立野の二塁打で1点先取。二回には敵失と暴投などで1点を挙げたあと、九番緒方の2点本塁打で、この回計3点。四回にも1点追加し、九回には5長短打で5点を奪い試合を決めた。伝習館は、修猷館主戦の波多江の好投に苦しみながらも三回には1点、七回には2バント安打、敵失などで2点を加えるなど食い下がったが、後続を絶たれた。
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実力伯仲の各校 筑紫工・東筑・小倉・柳川 軸か
甲子園出場権をかけて、7月25日から第71回全国高校野球選手権福岡県大会が市制百周年を記念して久留米市の久留米球場で始まる。南部、北部大会の4回戦を勝ち抜いた八校ずつ計十六校が出場、順調に試合が進めば30日には晴れの県代表が決まる。
シード校(十六校)で残ったのは南部が西短大付、柳川、沖学園、九州の四校。北部は小倉、九国大付、東筑の三校だけ。県大会も各校とも実力が伯仲しており、好試合が期待され、波乱の展開となりそうだ。20日迄13日間にわたって行われた南部、北部大会を回顧、県大会のゆくえを占ってみると―。
<投手力>打高投低といわれる今大会だが、南部では二種類のカーブと直球のコンビネーションで3試合を投げぬいた沖学園の左腕前田、北部は2年生ながら右横手からの鋭い変化球で打者を揺さぶる東筑の岩熊の好投が光る。前田は24回を投げて一四球と制球力も抜群。4回戦では3試合連続二ケタ得点をたたき出した福岡の強力打線から10三振を奪い沈黙させた。
岩熊も3試合に登板。戸畑、八幡南を連続完封。21回を投げ失点0。これに続くのが、シード校八幡西に打ち勝って、2試合で31点を挙げた打撃の北筑を2安打に完封した苅田工・山口。ピンチに動じず4試合で32個の三振を奪った修猷館の波多江といったところか。
また、植田、永井の2年生が頑張った小倉東や木村を中心にした福大大濠の投手陣、主戦南條をカバーする西短大付・中島といったところが注目される。
<打撃力>打率4割5分2厘、本塁打5本を含む21長短打の筑紫工が突出している。なかでも上村、黒田の3、4番コンビはともに打率7割5分。二人で23打点を挙げる大活躍。上村は毎試合本塁打を放ち筑陽戦ではサイクル安打も記録した。
苅田工は対戦相手をすべて7回コールドで下し、打線好調。小倉も高打率をマーク、3試合でわずか2三振とシュアなバッティング。両校をはじめ北部のチームは足を絡めた攻撃が目立つ。
九国大付は長打力はないが、22四球と選球眼がよく粘り強い攻め。柳川は南部大会では快音が少なかったが潜在力があるだけに火がついたときの爆発力は不気味。福大大濠は犠打で得点するオーソドックスな攻撃。九州は福岡中央戦で12盗塁を決めた。
<守備力>飯塚、東筑が失策1と堅い守りを誇る。西短大付、小倉、博多工もよく鍛えられている。修猷館、豊国学園、福大大濠の併殺網は整備されており、毎試合、相手の反撃を断っている。修猷館の斉藤の守備は華麗、福大大濠の桜井捕手は強肩。大牟田戦で四度の二盗挑戦のうち三度阻み、残る一度も直後にけん制で刺した。
<総合力>圧倒的な破壊力の筑紫工、堅い守りと機動力を備えた東筑、県大会開幕の二試合目でいきなりぶつかる小倉、柳川あたりが有力視されている。
西短大付は投手陣が踏ん張れば期待できる。沖学園、苅田工も投打ともに安定しており目が離せない。小倉東も勢いづいており、修猷館は主戦波多江が昨年も県大会のマウンドを経験しており頼もしい。福大大濠も手堅い攻めと堅実なプレーで波に乗っている。打撃の飯塚、投手力の九国大付、門司商も手ごわい。
シード校常盤を破った豊国学園、九州、博多工も力をつけている。大会は一発勝負。各校の力の差はほとんどないと見ていい。監督の采配も含めてどのようなドラマが繰り広げられるか。
<県大会出場までの成績:修猷館>
@ 6−0(大牟田北) A 5−3(香椎高校) B 4−0(西南学院) C 10−3(伝習館) 【投手成績】 波多江 投球回数 36 被安打 23 四死球 6 【打撃成績】 打数 148 安打 51 二塁打 9 三塁打 4 本塁打 1 盗塁 6 犠打 10 打率 .345 失策 7
■県大会1回戦 対門司商業戦:
延長の投手戦 門司商涙のむ修猷館・波多江、門司商・福島の投げあいで県大会初の延長戦にもつれ込んだが、修猷館が十回に貴重な1点を挙げ、息詰まる熱戦に終止符を打った。
三回まで毎回、三塁に走者を進めながら要所を波多江のカーブに抑えられていた門司商打線は六回、先頭福島が痛烈な当たりを放ち、修猷のサード岩井がファウルグランドに大きくはじく間に二塁に進んだ。さらに小牧の犠打で三塁に進み、二死後、河本の三塁強襲安打で先取点を挙げ、やっと均衡を破った。
福島の威力あるストレートに好機を再三逃がしていた修猷館もすぐに七回、石黒、緒方の短打と盗塁で一死二、三塁と攻めた。続く一番岩井のカウント2−3の時、二塁走者をけん制しようとした福島が痛恨のボーク、同点となった。
1対1の同点で迎えた延長十回、修猷館は四球で出塁した先頭の斉藤を立野が送り、一死二塁。四番牛島が福島の初球、ストライクを取りに来た甘いカーブを痛打、打球は二塁手横を抜け、センターへ。財前が好返球したが、斉藤は捕手のタッチをくぐり抜け決勝点を挙げた。
| 福岡県大会一回戦 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 【平成元年 7月26日】 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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決勝打を放った 牛島邦春(修猷館) 読み筋のカーブを痛打
修猷館・波多江、門司商・福島両投手の力投で試合は1点を争う好ゲームとなり、県大会初の延長戦にもつれ込んだ。十回表一死二塁、得点のチャンス。福島の決め球はストレート。が、初球はカーブと読み「曲がる前にたたこうとバッターボックスの前でかまえた」福島の初球は読み通り甘いカーブ。打球はセカンドの左を抜けてセンター前へ。走者の斉藤が相手の捕手のタッチをかいくぐっりホームベースをついた瞬間、修猷館の32年ぶりの県大会での勝利が確実になった。
「打席に立つ前に波多江さんに『頼むぞ』と言われました。打球が転がった時は抜けろと念じました。三回の好機に倒れたので、絶対に打ってやろうと思ってました。これで肩の荷が下りました」。背番号17番、一年生の四番打者は、すがすがしい笑顔で答えた。
■県大会準々決勝 対沖学園戦:
山座が決勝三塁打修猷館 32年ぶり準決勝へ
修猷館・波多江、沖学園・前田の好投手を両校の打線が粘り強く攻め、手に汗握る大接戦となった。延長十回、九回から守備固めに入っていた伏兵山座が決勝三塁打を放ち、修猷館が三十二年ぶりに準決勝に進出した。
1点を先取された修猷館は二回、五十嵐、福徳、石黒の連続長短打で追いつき、五回には二死から岩井、斉藤、立野の三連打で逆転した。
沖学園も五回裏、三塁打の尾花を井上がスリーバントスクイズでかえし、七回には一死満塁とし、前田が四球を選び押し出し、試合を振り出しに戻した。
さらに八回、沖学園は二死三塁の好機に井上が二塁右横を破るタイムリーを放ち逆転。このまま逃げ切るかと思えたが、修猷館は九回、福徳、石黒の安打と前田の二塁けん制悪送球で無死一、三塁と攻め、波多江の安打をライトがそらす間に二者生還。再び試合をひっくり返した。粘る沖学園はその裏、一死後前田が左越え二塁打。薄川の中前安打と寺田の左犠飛で前田がかえり延長戦にもつれ込んだ。
十回、修猷館は一死から立野が右中間三塁打。四番牛島が二ゴロに倒れ二死となったが、この試合初打席の山座が2−2からの球をたたき左中間三塁打。これが決勝点となった。
| 福岡県大会準々決勝 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 【平成元年 7月29日】 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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決勝三塁打を放った 山座 治義(修猷館) 初打席、無心の一打
「気合負けしないよう、ピッチャーをにらむつもりで打席に入った」。延長十回表、二死三塁。監督のサインは初球が「セーフティスクイズ」。外角のボールだったので見逃した。二球目以後は「打て」のサイン。「よーし!」。気合を入れ直した。カウント2−2からの五球目。沖学園のエース前田が投げ下ろした「内角の直球」を強振すると、打球は左中間へ。延長戦にケリをつける殊勲の決勝三塁打。これが県大会初打席というから驚きだ。
背番号「8」だが、控え選手。九回から守備固めで登場した。「足が速くて守備は抜群にうまい選手。でも、あの場面で打つとは・・・。集中力のたまものでしょう」。衛藤監督も新しいヒーローの出現を喜んだ。
身長160aと、チームで一、二を争う小柄。高校に入って野球を始めた。「ここまで来たら悔いが残らないようガンガンやるだけです」。あれよ、あれよという間の準決勝進出。波に乗る修猷館の勢いを象徴するような元気一杯の言葉が返ってきた。
| 西短大付 | 修 猷 館 | 博 多 工 | 福大大濠 |
■県大会準決勝 対西短大付戦:
西短大付の猛打爆発修猷館波多江 七連投に力尽く
西短大付が三回、肩の痛みをおさえて六試合投げぬいてきた修猷館波多江を襲い二死二、三塁から四球、エラーを挟む4短打で一挙6点を挙げ、コールドで修猷館の三十二年ぶりの決勝進出を阻んだ。
初回に1点先制した西短大付は三回、連投の波多江に対し木下、堤が短打と死球で出塁。竹内が送り、一死二、三塁とした。続く浜口は三振に倒れ二死となったが、柳川戦のヒーロー木附が波多江の決め球のスライダーを中前にはじき返し2点。南條も中前安打で1点追加。さらに西村慎四球の後、相手のエラーや新庄、本村の左前安打などで打者十人の猛攻で一挙6点を挙げた。
四回に無死一、二塁の好機を併殺打で逸した修猷館は五回、先頭の福徳が右越え二塁打、石黒の左前安打で一、二塁とし、波多江の併殺打の間に福徳が返り1点を返した。なおも、緒方、岩井の連打と斉藤の四球で満塁と粘りを見せ、南條をマウンドから引きずり下ろしたが、代わった中島に後続を断たれた。
| 福岡県大会準決勝 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 【平成元年 7月30日】 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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